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当主のアンリ・フレデリック・ロックは言わずと知れたドメーヌ・ド・ラ・ロマ ネ・コンティの共同経営者の一人だ。 母親がルロワ家の生まれで兄の突然の死 もあり、おそらく期せずして、世界中の造り手やワインファンの敬意を集めるこ の超名門の顔となったのだろう。 この世界で最も失敗の許されないドメーヌの仕事にはストレスも多かろう。 そ のせいか彼自身のドメーヌ「プリューレ・ロック」での彼は伸び伸びとしていて楽 しそうだ。 ドメーヌ内の雰囲気は非常に家族的で、ワインには力みや、よい意 味で緊張感が無い。 それはもちろん、いわゆる自然派といわれるワイン造りに 対する考え方によるところも大きい。 現在造りを任されているのはヤニックという若くて働き者のナイスガイだ。 パ リ出身!でワインの勉強もしたことがないという。 それでもこのドメーヌで経 験を重ね、難しい年の続いたここ数年も安定した出来に仕上げ、全幅の信頼を得 ている。 ここでひとつだけテクニカルなことに触れさせていただく。 プリューレ・ロッ クのワインは一切シャプタリゼーション(補糖)を行っていない。 北の産地で あるブルゴーニュでは補糖によりアルコール度数を上げることは多くの造り手が 行っていることだが、このドメーヌでは夏の涼しい年であっても、その年の姿を そのまま表現することにこだわる。 淡い色合いや軽やかなタッチはワイン業界の常識やグローバリゼーションに反旗 を翻しているかのようだ。 しかしそれこそがブルゴーニュなのだ。朝に試飲し ても身体に優しく染み込んでくる。その優しさはシャイで柔和なロックの笑顔の ようでもある。 ■ドメーヌの歴史 アンリ・フレデリック・ロック氏が1988年に創立したドメーヌ。 ラリー・ビー ズ・ルロワ女史の甥にあたり、現在ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの共同 経営者も務めています。 古文書を研究し、700年以上前にシトー派の修道士が行っていたブドウ栽培・ 醸造方法を復活させ、実行しています。 ロック氏曰く「これは微生物を活性化 させることにより肥沃な土壌を維持し、宇宙の摂理と調和を目指した栽培方法で ある」 ラベルに描かれているロゴはエジプトにある古文書に由来しています。 左 側の緑色の包丁を立てたような模様はブドウの樹、下に描かれている3つの赤い 丸はブドウの実、右上の黄色い楕円は神、右下の黄色い楕円は人を表していて、 自然(神)と人間の両方によってワインを造り出すという彼の考えが表れていま す。 ■栽培 ニュイ・サン・ジョルジュとヴォーヌ ロマネに合わせて11ha所有し、ニュイ・ サン・ジョルジュ・クロ・デ・コルヴェとヴォーヌ・ロマネ・クロ・ゴワイヨッ トはプリューレ・ロックのモノポール(単独所有)畑です。 ビオロジック。 除草剤などの農薬や化学肥料は一切用いず、必要に応じて有機肥料(ブドウの 樹と自らのワインを発酵した時の搾りカス、牛糞などを寝かせたもの)を最低限 用いています。また、草取りや収穫などは機械に頼らず、人の手によって行われ ています。 ■醸造 収穫したブドウは丁寧に選果した後に、房をそのまま丸ごと発酵槽に入れていま す。 発酵は木樽を使いすべて野生酵母のみを用いて行っています。また、醸し は今なお人の足でブドウを潰して行うという古来のワイン造りにこだわり、滓引 きもせずノン・フィルターで瓶詰めしています。 熟成に使用する樽の材木は、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ社が50年以上 も前に伐採前の樹を買い付けてあったものを共同で使用しています。 ※ファインズホームページ参照 |
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